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じつはマイタケが最強! 硬くなりがちな肉をやわらかくする方法5選

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値段が手ごろで硬くなりやすい肉といえば「豚こま切れ肉」を思い浮かべる人も多いのでは。ところが、昨今は赤身肉がブーム。おうちごはんでも「もっと牛肉や羊肉を食べたい」と思っている人は少なくありません。

そこで、豚・鶏・牛・羊のいずれでもOK! 意外なお助け食材や力技で、肉をやわらかくする方法をご紹介します。より安価な特売肉や輸入肉などもおいしく食べられ、覚えておけば節約に役立つこと間違いなしですよ。

肉が硬くなるのは安い肉だから?

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スーパーや精肉店で肉を選ぶとき、誰もが新鮮ないい肉をより安く買いたいと思うのでは。なかには、安かろう悪かろうという肉もあるでしょうが、安価な肉だから硬くなるとは限りません。高価なブランド肉でも、調理の仕方によっては硬くなるもの。特にステーキ用など厚みのある肉で「うちで作ると…」とがっかりした経験のある人も多いのではないでしょうか。

肉が硬くなる原因のひとつは、たんぱく質の収縮です。肉を加熱するとたんぱく質の本来の結合がほどけ、寄ってきた別の分子とくっつき集まります。その結果、水分が流出してパサつき、たんぱく質が収縮した硬い食感になるわけです。

もうひとつは、筋組織の硬さです。よく使われる部位ほど筋肉が発達し、硬くなります。いわゆる筋張った肉も、包丁で筋を切るなどの下ごしらえが必要になりますが、ちょっと面倒というのが本音でしょう。

ポイントは3つ。肉の種類を選ばずに活用できて、手軽さも条件に

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そこで、家庭でもできる、肉が硬くなる原因の解消法を探ります。

ひとつめのポイントは、たんぱく質分解酵素のプロテアーゼを含む食材の活用です。たんぱく質を分解するということは、加熱前に合わせておけば肉をやわらかくしてくれます。この酵素が強いといわれ、安価で肉と合わせやすい食材を吟味しました。

2つめのポイントは、酸性の調味液に漬けるマリネ処理をすることです。マリネと聞いてピンと来た人も多いでしょう。肉を酸味のある調味液に漬けて酸性に傾けると、保水性が高まって食感がやわらかくなります。さらに、肉を酸性に傾けることで、肉そのものが持つたんぱく質分解酵素が活性化すると考えられています。

3つめのポイントは、物理的に肉の筋組織を断ち切る方法です。より手軽で時短になる方法を探ってみました。

おいしく食べられることが肝心。肉をやわらかくする5つの方法

肉が硬くなる原因を解消するのはもちろん、その食材の使いやすさ、肉との風味の相性なども考慮しました。おすすめの肉をやわらかくする調理方法をご紹介します。

### ★まいたけ 肉と合わせて弱火で火を通す ⇒  煮込みハンバーグ、シチュー、カレーなどに

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スーパーで買える手ごろな食材では、まいたけのたんぱく質分解能力は最強クラス! そう噂されるのは、まいたけにはプロテアーゼというたんぱく質を分解する酵素が多く含まれるためです。そもそも、きのこ類にはプロテアーゼを含むものが多く、なかでもまいたけは多く活性しやすいといわれています。

きのこは肉との相性もいい食材。まいたけと一緒に調理すると、肉の食感がやわらかくなるうえに、うま味成分も豊富に含むため、味わいが深くなります。また、まいたけは食物繊維が豊富で、免疫力を高める作用で注目のβ₋グルカンも多く含まれるなど、ローカロリーで健康に役立つ食材。肉をやわらかくするだけでなく、まいたけも具としてたっぷり味わうことで、よりおいしくヘルシーなひと皿になります。

まいたけのたんぱく質分解酵素は、調理で加熱されるときに働きがよくなるといわれます。50~60℃が最も活性するといわれ、生の状態で肉と合わせ、煮立たせないように弱火でゆっくり加熱しましょう。高温で仕上げる炒め物やオーブン料理などには向きませんが、弱火で煮込む料理で試してみてください。

### ★しょうが&玉ねぎ おろして肉を漬け込む ⇒ ジンジャーポークソテー、ローストビーフ、焼き肉などに

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しょうがと玉ねぎも、たんぱく質分解酵素のプロテアーゼを含む食材です。細胞を壊したほうが酵素の働きがよくなるので、すりおろすか、みじん切りにして生のまま肉を漬け込みましょう。

この組み合わせは、いわゆるしょうが焼きの下味つけに応用しやすく、とくに筋の多いもも肉、脂身の多いバラ肉などは、おろしたしょうがと玉ねぎに漬け込むと、仕上がりのやわらかさを実感しやすいでしょう。ちなみに、便利なチューブ入りのおろししょうがは酸化で酵素が失われるため、生のしょうがをすりおろして汁も余さず使ってください。

ローストビーフなどで安価な筋張ったももや肩のブロック肉を使う際も、下ごしらえでおろした玉ねぎに1時間ほど漬け込んでから焼くといいでしょう。

### ★キウイフルーツ つぶして肉にもみ込んで漬け、そのまま焼く ⇒ ラムチョップ、焼き肉、カレーなどに

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熱帯植物のフルーツ、パイナップルやパパイヤ、キウイフルーツは、肉をやわらかくする食材としてよく知られています。これも、生のフルーツに含まれるたんぱく質分解酵素・プロテアーゼの効果。比較的、加熱しても安定性が高いともいわれますが、生でつぶすかすりおろして肉を漬け込むのが一般的な方法です。

なかでも、小さくて扱いやすいキウイフルーツは、酸っぱいままでも使えておすすめです。皮をむいて輪切りなどにしてつぶし、生肉にもみ込んで密閉保存袋に入れ、1時間以上漬けておきましょう。下味をつける場合、調味料や香味野菜などを一緒に漬け込んでも。そのまま焼けば、肉がやわらかくなると同時に、さっぱりとフルーティーな風味がついておいしく食べられます。

### ★ 調味に使い、カルシウムの吸収を助けるメリットも活かす ⇒ 鶏手羽煮、チーズの肉巻きなどに

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肉料理に酢を使うと、酸性に傾くことで肉の保水性が高まり、タンパク質分解酵素が働いて、肉がジューシーでやわらかくなります。さらに、酢には肉や魚の骨をやわらかくする働きもあり、鶏の骨付き肉に酢を入れて煮ると、骨のカルシウムが溶け出して、より多くのカルシウムを摂取できるといわれます。

また、食事で摂取するカルシウムは体に吸収されにくいといわれますが、酢にはカルシウムの吸収を助ける作用もあります。チーズなどの乳製品✕肉を組み合わせた料理で酢を使うと一石二鳥。チーズとキャベツなどの野菜を豚薄切り肉で巻き、ぽん酢や酢じょうゆを回しかけて焼くと、肉がやわらかくさっぱりとして暑い季節などにもおすすめです。

### ★叩く めん棒などで叩いて肉の繊維を断ち切る ⇒ 輸入肉のステーキ、ポークソテー、とんかつなど

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肉の表面を軽く叩いて繊維を断ち切ることで、肉質がやわらかくなります。火の通りも均一になるので、厚みのある肉を調理するときにおすすめの方法。たんぱく質分解酵素を含む食材を活用する場合も、厚みのある肉は最初に叩いておくほうが、よりやわらかく時短にもなります。

基本的にはまな板に肉を置き、包丁の背やめん棒、あれば肉叩きなどで軽く叩くだけ。肉の上下にラップを挟んで叩くと衛生的です。叩いた後は火の通りがよくなるので、加熱しすぎないように注意しましょう。安価なステーキ用の輸入肉などにおすすめで、筋が多い場合は包丁で筋切りをしたうえで叩くほうが、効率もいいでしょう。

手間がかかるぶん、単に肉がやわらかくなるだけでなく、味わいや健康などにプラスのメリットもあることが大切。特売肉など、安価だけど肉質がちょっと心配なときに取り入れてみてください。

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