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ひんやりスイーツは手作りが正解! ゼラチン・寒天を上手に使い分けるコツ➀

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溶かして固めるだけで簡単に作れるゼラチンや寒天のひんやりスイーツ。これからの蒸し暑い季節は大活躍。節約おやつとしてはもちろん、ダイエットや美肌にもいいと注目が集まり、手作りする人が急増中です。

でも、ゼラチンと寒天の使い方が違うことは知っていても、何となく選んでいる人が意外に多いのでは。原料や特徴を知って使い分けると、よりおいしく作れるうえに、使いみちもぐんと広がります。それぞれのメリットを活かした楽しみ方、意外な役立て方もご紹介。まずは、美容にもいいと話題のゼラチンから!

知ってるようで知らない、ゼラチンの原料と使い方

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ゼラチンの原料は牛、豚、魚の骨や皮などから抽出されるコラーゲンというたんぱく質です。つまり、ゼラチンを食べる=コラーゲンを食べること。コラーゲンは水に溶けませんが、熱することで構造が変わり、水に溶けるたんぱく質になります。

お菓子作りには粉ゼラチン、板ゼラチンが使われます。どちらも50~60℃くらいの湯で溶かしてから冷蔵庫で冷やし固めるのですが、使い方が少し違います。

★粉ゼラチン……ゼリーにしたい液体を温め、直接入れて溶かすことができる。

★板ゼラチン……氷水に1~2分浸してふやかし、水けを絞ってから、温めた液体に入れて溶かす。

ゼラチンは固まった後、冷蔵ではそのままですが、常温ではだんだん溶けて水けが出てゆるくなります。よく冷やして、食べる直前に冷蔵庫から出すのが、おいしく食べるポイントです。

ちなみに、ゼラチンで作ったゼリーを冷凍すると、解凍するときにドロンとだれてしまいます。半解凍ではシャリシャリしたシャーベットのようになりますが、冷凍するとコラーゲンも壊れるので、冷蔵保存で食べるほうがおすすめです。

プルプルとしたゼラチンならではの食感

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ゼラチンで作ったゼリーはプルンとした弾力と粘性があります。口内の温度(25℃くらい)で溶けるため、口溶けがいいことも特徴。寒天と比べて、口あたりがやわらかいことが一番の魅力でしょう。

また、ゼラチンは気泡を包み込む性質を活かし、ムースやババロア、マシュマロなどの材料に使われます。メレンゲやホイップクリームなどを混ぜ、フワフワした食感に仕上げることもできます。

沸騰させてはNG!固まらないときは……

ゼラチンをしっかり固める基本は、よく水を含ませ、熱を加えて溶かすことです。ただし、ゼラチン液は沸騰させるとコラーゲンが壊れて凝固力が弱まるため、火にかけるときは注意が必要です。先にゼリーにしたい液体を温めて火を止め、ゼラチンを加えてふやかしてから、溶けきるまでよく混ぜましょう。

また、生のキウイやパイナップル、パパイヤにはタンパク質分解酵素が含まれ、ゼラチンが固まらなくなります。フルーツを加熱しておくか、缶詰などのシロップ漬けを使いましょう。レモンや梅をはじめ、酸味の強い果実もゼラチンが固まりにくくなるので、ゆるめで味わうか、実や果汁の量を少なめにして調整しましょう。

ゼラチンのメリットをもっと活かそう!

原料を活かす ⇒ コラーゲンの補給源にも!

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美容や健康にいい食品として、注目されているコラーゲン。ゼラチンとは分子レベルでは違いがあるものの、食品としてはほぼ同じです。食べるコラーゲンはゼラチンあるいは、ゼラチンを低分子化したコラーゲンペプチドを指すのが一般的とされ、高血圧予防や骨粗しょう症の軽減、美容では肌の保湿力が高まるなどの報告がされています。

沸騰させたり凍らせるとコラーゲンが壊れる要因になるため、火を止めてから溶かし、冷蔵して固めるおなじみのゼリーでとるのがおすすめです。

低カロリーを活かす ⇒ 水ゼリーでダイエット

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肌の露出が増える季節は、いわばダイエットのオンシーズン。そんな暑い時期のダイエット中のおやつに人気なのが、**水だけで作る「水ゼリー」**です。ゼラチンの原料は動物性たんぱく質でカロリーはありますが、水だけで作ればかなりの低カロリー。

透明感も涼しげなうえに、好きなシロップやソースをかけて食べられ、カロリーコントロールに役立ちます。寒天よりもやわらかな口あたりで、炭酸ソーダで泡入りゼリーにしたり、映える工夫も楽しそう!

### 溶けやすさを活かす ⇒ のみ込むのがつらい人の水分・栄養補給に

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口内の温度で溶けるゼラチンで作ったゼリーは、のみ込む力が衰えたり、のどの腫れなどでのみ込むのがつらいときにも、摂取しやすいといわれます。水分はもちろん、栄養になる野菜ジュースやスープ、フルーツなどをゼラチンでやわらかなゼリーに。高齢者をはじめ、病中病後の食事や間食にも役立ちます。

粘性などの性質を活かす ⇒ 料理の裏ワザとして役立てる

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とんかつしょうが焼き角煮などで、調理前の肉にゼラチンをまぶすと、加熱後も肉が硬くなりにくく、やわらかさをキープできると評判。ハンバーグ餃子なども、ひき肉にゼラチンを振って混ぜ込むと、肉汁を閉じ込めてジューシーに仕上がるといわれます。

じつは、ゼラチンはそうした食品加工でも使用されていて、家庭の料理に役立てることも可能です。例えば、鶏もも肉1枚(200g)から揚げを作る場合、下味のたれに粉ゼラチン5gを混ぜ、よくもんで漬け込みましょう。短時間でもしっかり味がからみ、冷めてもやわらかなから揚げに!

SNSでは「丸ごとゼリー」「コンソメジュレ」が人気

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おうちゼリー派が増え、SNSなどではちょっとしたトレンドも。手作りなら気軽だし、ゼラチンは安価なのでたっぷり味わえるのが強みです。そこで、紙パックの牛乳やジュース、フルーツの缶詰などをそのまま型にした**「丸ごとゼリー」**がブームに。紙パックを破いたり、缶を逆さに振って食器にドンと出すときのワクワク感も楽しみのひとつでしょう。

料理好きに流行っているのは**「コンソメジュレ」**です。ゼラチンの食感が活きるよう、さいの目に切ったりフォークでクラッシュすると、キラキラして目にもきれい。冷や奴やサラダにトッピングして〝映える料理”としておうちパーティーにもおすすめです。

ゼラチンならではの食感や性質などを知ると、メリットを活用するアイデアもどんどん浮かんでくるもの。第②弾の寒天編では、ゼラチンにはない寒天ならではの活用法をご紹介します。

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