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もやしより優秀な節約食材! 豆苗のすごい栄養価と賢い保存方法&育て方

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野菜で節約の強い味方といえば「もやし」ですが、安さにひかれつつ、栄養がとれるかを気にする声も……。さらに、調理がラクで、食卓やお弁当の彩りになればいうことナシ! そんな優秀すぎる“ポストもやし”として今、注目株なのが「豆苗(トウミョウ)」です。

1パック100円前後と手ごろで、じつは栄養価の高い新芽野菜。生でも食べられ、アンチエイジングなど美容に役立つローフード食材としても人気があります。

「リボベジ」といわれる再生栽培も楽しめ、上手に育てて収穫すればコスパはいっそうよくなります。知るほどに食べたくなる、豆苗のメリットや使いこなし方をご紹介します。

豆苗はスプラウトの一種。えんどう豆の発芽パワーが凝縮!

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豆苗はさやえんどう、グリーンピースでおなじみの**「えんどう豆」の新芽野菜**。いわゆるスプラウトの一種で、ほんのり豆の香りがして、ぐんぐん伸びる若葉と茎が可食部です。

中国から伝わった豆苗ですが、そもそも中国では畑に植えられ、若葉を摘んで食べられる高級野菜です。日本では1990年代に工場で水耕栽培されるようになり、多くは発芽した豆ごと根つきのまま出荷されています。

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新芽野菜は茎も細くか弱い印象ですが、種子が蓄えてきた発芽のためのエネルギーが、いよいよ出現した状態がスプラウトです。いわば、栄養のかたまりであり、えんどう豆が発芽した豆苗には植物性たんぱく質が含まれ、さらにβ-カロテンや各種ビタミンが豊富。ほかにもミネラルや食物繊維など、バランスに優れた栄養価の高さが認められます。

特にβ-カロテンの含有量は、小松菜やほうれん草に匹敵する多さです。そう、豆苗は緑黄色野菜でもあり、この点はもやしにはない大きなメリット。β-カロテンは「抗酸化作用」が高く、細胞を老化させ、動脈硬化などの生活習慣病を招く活性酸素を抑える働きがあります。さらに、体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持、目や皮膚など粘膜の健康維持、免疫力アップなどに働きます。

豆苗に多いビタミンC・Eも、同じく抗酸化作用で知られ、相乗的に老化予防や免疫力アップに働きます。また、骨の強化を助けるビタミンKも多く、骨密度が低くなりがちな妊娠中や授乳中、更年期などの女性に役立ちます。豆苗には妊娠中や授乳中は特に意識してとりたい葉酸も多く含まれ、女性の日常的な栄養源にぴったりです。

豆苗はビタミンB1、B2、葉酸など、エネルギー代謝を高めるビタミンB群が豊富なことも特徴です。また、意外に食物繊維を多く含むので、豆苗を節約に役立てて常食すれば、腸から美しさや免疫力を高めるためにもひと役買います。

栄養を余さずとるために、覚えておきたい保存方法

豆苗はカットした商品もありますが、やはり豆の根つきの状態で買うほうがおすすめです。再生栽培ができることはもちろん、鮮度が保てるため、栄養もおいしさも損なわれにくくなります。

買ってきたら調理するまで、葉を上にして立てて冷蔵保存をしましょう。光が差す常温の室内に置くと、豆苗は生長が進んで栄養が目減りしていきます。若葉を傷めないように包装フィルムは開けず、押し潰さないように野菜室で保存して、1〜2日で早く使い切るのがおすすめです。

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すぐに使わない、または半分だけ使い残した場合などは、根元を切って葉と茎だけにして、よく洗っておきます。早く使い切るなら、乾燥しないように湿らせたペーパータオルに包み、密閉保存袋に入れて冷蔵しましょう。

長く保存するなら、葉と茎のまま保存袋に入れ、密閉して冷凍するのがおすすめです。ただし、冷凍すると細胞壁が壊れ、生の豆苗のシャキシャキ感はなくなります。しんなりしますが、凍ったままフライパンや鍋に入れて加熱できるので便利です。

もっと節約に役立てたい! 賢い豆苗の食べ方

値段は手ごろでも、豆苗は上手な使い方がわからないという人も意外と多いようです。まずは、毎日の食卓やお弁当での出番をもっと増やすことから。こんな調理法で取り入れてみてはいかがでしょう。

サッと加熱してかさを減らせば、大量消費しやすい

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豆苗は生でも食べられ、サッと火を通すだけで、お浸し、あえもの、炒めもの、汁ものなどで、手軽においしく食べられます。豆苗の味わいのひとつである、シャキシャキした食感が残る程度に加熱しましょう。青菜炒めや塩ゆでにする場合、1パック分(約100g)あたり1分を目安に、様子を見ながら加熱しましょう。それだけで、生に比べて青臭さが取れ、しんなりしてかさが減るので、量を食べやすくなります。

お弁当には長さを生かして肉巻きに

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アスパラガスやにんじんなどでおなじみの、豚薄切り肉の肉巻き。断面が楽しく、子供も食べやすいお弁当の人気メニューです。じつは、長さがあって貝割れ菜よりも茎が太い豆苗は、しっかり火を通したい豚肉を巻くのにうってつけです。何より、β—カロテンをはじめ栄養価が抜群に高く、若葉の緑色も鮮やか。お弁当の彩りにも積極的に役立てたい、緑黄色野菜です。

ペーストにすると、さらに使いみちが広がる!

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β—カロテンは植物に多く存在する色素で、豆苗にも豊富に含まれています。新鮮なうちにさっと加熱して、ミキサーやハンドブレンダーなどでペースト状にしておくと、ソースやドレッシングなどに使いやすいばかりか、濃い緑色になって色づけにも役立ちます。ジェノベーゼソース風に調味してパスタやポテトとあえたり、牛乳や生クリームと泡立て、蒸し野菜や豆腐などにかけても色鮮やか。ホットケーキミックスの生地に加えて、緑色のパンケーキや蒸しパンを作ったり、アイデア次第で若葉のグリーン色を楽しみながら常食できます。

上手に「リボベジ」すればもっと得! 再生栽培のコツ

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可食部を切った根つきの豆苗は、もちろん再生栽培をして楽しみましょう。「リボベジ」ことリボーンベジタブルは、種や苗を買わず、捨ててしまいがちな野菜の根やヘタなどを再生栽培することです。室内のちょっとしたグリーンとしての楽しさもありますが、野菜を育てるからには、再収穫して食べることを目指します。

なかでも、豆苗は元から水耕栽培されていたので、条件さえ整えば1週間から10日間ほどで新しい芽が伸びて再収穫できます。蒸れて傷みやすい夏場でなければ、うまく育てると2回収穫できることも! 計3回食べられたら、コスト的にも節約食材の代表「もやし」に並ぶでしょう。

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上手に育てるには、まず根元の切り方が肝心です。カットする目安は、豆の上2cmとよくいわれますが、さらに1cmほど長く茎を残すようにして、根元の小さな芽(脇芽)の上でカットするのがおすすめです。食べるだけならもう少し切りたいところですが、脇芽を残すと新しい芽が伸びやすくなります。

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カットした豆と根の部分は、水を張れる深さ2~3㎝はある器やバットなどに入れて水栽培します。100円ショップなどで、網状のトレイに水受けがついた発芽しやすい水栽培用容器も市販されています。器に入れたら、根の部分が浸るように水を張り、室内の日の当たる場所に置きましょう。ちょっと面倒でも、水は毎日入れ替えることをおすすめします。夏場は暑さで乾いたり根腐れしやすいので、直射日光が当たらない明るい室内に置き、1日2回は水を入れ替えるようにしましょう。

豆苗は水を張って入れ替えるだけであっという間に育ち、リボベジとしては初心者向きです。日常的に食べれば、健康や美容のサプリメント代わりになって、育てて再収穫もできる豆苗。手軽なキッチン菜園として楽しみながら、節約しつつも、しっかり栄養摂取できる頼もしい食材です。

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