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便秘だけじゃない! 太りたくない人が習慣にしている「腸活」とは?

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健康はもちろん美肌にも効果抜群とモデルや美容家など、美意識の高い女性から注目されている「腸活」。一番取り入れやすく、かつ肝心なのは「食」といわれますが、その方法は意外にあいまいなところも。腸にいいものを食べて、腸からきれいになる! そんなイメージ先行の初心者に、腸活とは何か、その注目ポイントや食材の選び方をわかりやすくご紹介します。

知ってるようで知らない「腸活」って何?

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よい腸内環境は、健康寿命が伸びるひとつの要因。**「腸活」**とは、そうしたよりよい腸内環境をつくるために、食事に気をつけたり、運動習慣をつける活動のことをいいます。腸は食べ物の消化吸収、排せつだけでなく、生活習慣病やがん、免疫力など、全身の健康に関わっていることが近年、医学的な研究でわかってきました。そこで、腸活が注目されるようになったわけです。

おもに栄養を吸収するのは小腸の役目で、大腸の役目といえば、水分を吸収することだけ。そんな大腸にスポットライトが当たるようになった理由は、腸内細菌の存在です。

大腸内にはおよそ1000種類、100兆個もの細菌が生息しているといわれ、その数は小腸とは比較にならないほど膨大です。腸内細菌は種類ごとに腸壁に密集し、お花畑のように見えることから腸内フローラとも呼ばれます。腸内細菌は「善玉菌」、「悪玉菌」、「日和見(ひよりみ)菌」の3つに大別され、よい腸内環境=腸内細菌数のバランスが保たれた状態です。具体的には、善玉菌30〜40%、悪玉菌10%、日和見菌50〜60%が理想とされています。

★善玉菌……ビフィズス菌や乳酸菌のフェーカリス菌、アシドフィルス菌など。腸内の有害物質を増やす悪玉菌の増殖を防ぐ。

★悪玉菌……ウェルシュ菌やブドウ球菌など。脂質や動物性たんぱく質を好み、腸内の有害物質を増やす。

★日和見菌……腸内に善玉菌が多いときは無害なのに、悪玉菌が多くなると同様に有害物質を増やすようになる。

とはいえ、善玉菌、悪玉菌、日和見菌のベストなバランスは個人差があるとされ、理想の割合よりも、個人にとって最良のバランスを保つことが大事とされます。近年の研究で、病気の人の腸内環境は健康な人に比べ、細菌の種類が少ないことなどもわかってきました。腸内細菌の勢力バランスだけでなく、より多くの種類の細菌が腸内にいるかが注目されるようになり、そのための活動を腸活と呼ぶケースもあります。

太りたくない人は「シンバイオティクス」を目指す

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腸内環境の乱れは、肥満とも深い関係にあります。肥満した人と痩せている人との腸内環境を比べた研究によると、肥満者には腸内細菌のバランスに偏りがあることが報告されています。腸内細菌のバランスが悪いほうに傾くと、悪玉菌が生み出す毒素が腸から吸収され、毒素の血中濃度が高くなって全身に悪影響を及ぼします

悪玉菌が作る毒素のひとつ「エンドトキシン」は、インスリンがうまく働かない状態をつくり、肥満の要因になるという指摘も。さらに、脂質や糖質を抑えた食事で減量した結果、肥満した人の腸内細菌の偏りが解消されたという報告もあります。今後さらに医学的な研究が進めば、腸内環境を整えることでのダイレクトな肥満対策が出てくるかもしれません。

そこで、自らの腸活となるわけですが、具体的に何をすれば、腸内細菌のバランスを整えられるのでしょうか。効果的とされている方法のひとつが、毎日の食事です。

広く知られているのが、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌の摂取で、そうした腸内環境を整え、人に有益な生きた微生物はプロバイオティクスと呼ばれています。「ともに生きる」という意味の言葉を語源とし、ヨーグルトや納豆などの発酵食品から摂取することができます。

一方で腸活には、自分の腸内に棲みついた善玉菌を増やすという方法もあります。そのために必要なのがオリゴ糖食物繊維で、これらは小腸で吸収されずに大腸まで届き、善玉菌のエサとなって分解され「短鎖脂肪酸」になります。この短鎖脂肪酸が腸内を弱酸性に保つことで、善玉菌が活発になるわけです。善玉菌のエサとなる食品成分はプレバイオティクスと呼ばれ、「プレ」には「前に、先立って」という意味があります。プレバイオティクスを積極的に摂取することで、結果的に善玉菌が増えたり、働きがよくなって腸内環境が整うのです。

善玉菌そのものであるプロバイオティクス、善玉菌のエサになるプレバイオティクスを合わせて摂取することは**「シンバイオティクス」**と呼ばれ、より効果的な腸活の方法として注目が高まっています。

食べて腸内環境を整える! 習慣にしたい腸活の食事

腸活のより効果的な方法、シンバイオティクスを実践してみましょう。「シン」には「一緒に」という意味があり、発酵食品から善玉菌を摂取するとき、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を含む食品をたっぷりととります。

ただし、プロバイオティクスの乳酸菌やビフィズス菌は、生きて腸まで届くことが前提になります。まずは、加熱しないで食べられる発酵食品を選ぶこと。そして空腹時は避け、食事の最後やデザートに食べるほうが、胃酸も薄まって菌が死滅する可能性が低くなると考えられます。

また、食事で摂取した善玉菌は腸内に定着しないため、継続してとることが大切。胃酸などで死んだ菌も、善玉菌のエサになったり、悪玉菌の出す有害物質を吸着して排出するなど、善玉菌のサポーターとして役立ちます。そこで、日常で食べやすい〝腸活食材”の組み合わせをご紹介しましょう。1回の食事で摂取するよりも、朝・昼・晩の食事やデザート、間食など、複数回に分けてとることを心がけましょう。

ヨーグルト ✕ ブルーベリー(生・冷凍)

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発酵食品であるヨーグルトは無糖のプレーンを選びましょう。おすすめのフルーツは、皮ごと食べられるブルーベリー。生100gで食物繊維3.3gを含み、これは生のレタスやバナナの3倍、いちごやりんごの約2倍と多量です。生が出回らない時期も冷凍が買えて、食物繊維量は変わりません。ブルーベリーは紫の天然色素、アントシアニンによる抗酸化作用も期待できます。

納豆 ✕ 海藻(わかめ・めかぶ・もずく 等)

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蒸した大豆に納豆菌を混ぜ、発酵させて作る納豆。大豆由来の植物性たんぱく質に加え、食物繊維も豊富です。一方、海藻は水溶性食物繊維を豊富に含むことがメリット。善玉菌のエサになるほか、保水力が高く便通をよくする働きがあります。糖質の吸収をゆるやかにして、血糖値の急上昇を抑えて肥満予防にも活躍。いずれも整腸作用に優れた、腸活の強い味方です。

キムチ ✕ 豆腐(冷奴)

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キムチは乳酸菌の宝庫。白菜などの具材も食物繊維が豊富で、そのものでもシンバイオティクスに。ただし、市販のキムチはよく吟味を。発酵熟成と非発酵のものがあり、後者はキムチ風味の調味液に野菜を浅漬けしたものです。発酵熟成されたキムチには、乳酸菌が桁違いに多く含まれています。大豆由来の栄養価の高い豆腐にのせて、ごま油を回しかけるとおいしく食べられます。

ぬか漬け × 野菜

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ぬかの生きた乳酸菌に、野菜の食物繊維が善玉菌のエサとなる「ぬか漬け」は、腸活にうってつけの食材。漬ける野菜は好みでいいのですが、免疫力を高めるβ-カロテンが豊富なにんじんはおすすめ。地味な印象の野菜が多いぬか床で、色鮮やかなにんじんは映えます。食物繊維にオリゴ糖も多く含むごぼうも、効率がいいおすすめの具材です。

ヨーグルト ✕ きな粉 ✕ バナナorはちみつ

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きな粉は大豆を炒って、丸ごと粉末にしたもの。大豆由来の良質な植物性たんぱく質、ビタミンB群などが豊富で、食物繊維、大豆オリゴ糖も含むうえに、ポリフェノールのサポニンやイソフラボンなどの抗酸化作用も期待できます。甘みを加えるなら、オリゴ糖が豊富なバナナやはちみつを。プレーンヨーグルトと味の相性もよく、トッピングにおすすめです。

食事でのシンバイオティクスは、継続することが肝心です。日々の食習慣を見直すきっかけとして、腸活の食材を取り入れて習慣にしていきましょう!

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