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節約上手は知ってる! きのこを冷凍保存が◎。うま味もぐんと濃厚に!

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通年で安く買えて、低カロリーで食物繊維が豊富。どんな料理にも使いやすい「きのこ」は、節約食材の優等生といえます。でも、意外に水分が多く、冷蔵保存では傷んだり干からびたり、ムダにしてしまうことも少なくないのでは。

買ってきてすぐ使わないきのこは、冷凍保存するのがおすすめです。特売でもなければ「きのこを冷凍する」という発想がない人も多いでしょう。じつは、きのこは生のまま冷凍できて、長持ちするうえに、おいしさのメリットもあります。さらに、おなじみのきのこの冷凍保存のコツ、得する栄養の特徴など、きのこをもっと食べて、節約に役立てる知恵をお伝えします。

## 冷凍すれば、使いきれなくても安心。さらに加熱するとうま味が倍増!

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きのこは野菜ではなく菌類の仲間ですが、同様と考えると、野菜ではめずらしい冷凍に向く食材といえます。野菜は水けが多く、生のまま冷凍すると、解凍するときに細胞が壊れて形がくずれ、べちゃべちゃと水っぽくなりがちです。そのため、下ゆでをしたり、たれに漬け込むなど、調理して冷凍するのが一般的です。

ところが、きのこは食物繊維が豊富で弾力があり、生のまま冷凍しても形がほとんどくずれません。しかも、冷凍してから加熱調理すると、うま味や香りが増すといわれています。

多くのきのこに含まれるグアニル酸は、野菜などに多いグルタミン酸、肉や魚に多いイノシン酸と並び、私たちが「おいしい」と感じる三大うま味成分のひとつ。冷凍したきのこを加熱するときに、このグアニル酸が生成されます。細胞が壊れ、うま味成分を生成する酵素が働き出すためです。これにより、グアニル酸をはじめ、グルタミン酸、アスパラギン酸など、きのこが持つうま味成分が、生の状態より倍増することがわかっています。

つまり、きのこは冷凍しても風味が落ちず、むしろうま味や香りが増すというわけです。とはいえ、細胞が壊れるのですから、食感が変わらないわけではありません。きのこによっては、生のほうが食感を楽しめ、おいしく感じる場合もあります。逆に、冷凍したほうが食べやすいという声もあり、好みに合うか試してみるといいでしょう。

定番きのこの冷凍のコツは? 栄養の特徴を知って使い分けよう

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きのこを冷凍保存するときは、ゆでずに生のまま冷凍用保存袋に入れ、空気を追い出すように密閉します。水で洗うと風味が損なわれ、傷みにもつながるので、ごみや汚れがあれば固く絞ったふきんなどではらっておきましょう。

一般的に冷凍したきのこは、1カ月を目安に使いきります。解凍すると水けとともにうま味も抜けてしまうため、使うときは解凍せずに凍ったまま加熱しましょう。うま味成分がぐんと増えて、おいしさを活かせます。さらに、よく使うきのこの冷凍のコツ、栄養の特徴をチェック。上手に選んで使い分けましょう。

ぶなしめじ……食感を楽しむなら生、煮炊きするなら冷凍が最適

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★冷凍保存のコツ

石突きを除いて小房に分け、冷凍用保存袋に入れて密閉して冷凍する。小房に分けると、凍ったまま必要な分だけ取り出せ、汁ものの具などに便利。保存の目安は1カ月。ただし、冷凍するとシコシコとした歯ごたえはなくなりやすく、食感を楽しみたい炒めものなどの分は、生で取りおきを。

★栄養の特徴

100gあたり26kcal(生)。ほかのきのこと同様、植物性たんぱく質が含まれ、食物繊維が豊富なため、腸の健康はもちろん、血糖値の上昇を穏やかにするなど、生活習慣病の予防に役立つ。また、水溶性食物繊維の一種で、免疫力を活性するといわれる「β-グルカン」も含まれる。ビタミンB群・Dも含まれ、塩分バランスの調整に役立つカリウム、うま味成分のグルタミン酸がきのこのなかでは多め。汁もの、煮ものなどにすると、いいだしも出る。

まいたけ……冷凍保存で常備。毎日のみそ汁やスープの具に!

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★冷凍保存のコツ

食べやすくほぐし、冷凍用保存袋に入れて密閉して冷凍する。食感もそれほど変わらず、保存の目安は1カ月。

★栄養の特徴

100gあたり22kcal(生)。きのこの食物繊維には不溶性、水溶性の両方が含まれ、免疫力の活性で注目されている「β-グルカン」は、水溶性食物繊維の一種。一般的なきのこでは、まいたけに多く含まれることがわかっている。β-グルカンは腸内の免疫細胞に直接働きかけ、免疫力アップのほか、花粉症などのアレルギー症状の予防、改善効果も期待されている。冷凍保存して、汁ものの具でとるのがおすすめ。細胞が壊れ、水溶性食物繊維が溶け出した汁ごと食べれば、余さず摂取できる。

ほか、骨の健康維持に働くビタミンD、美肌づくりを助けるビタミンB群のビオチンも多い。たんぱく質分解酵素のプロテアーゼが多く含まれ、まいたけと肉を漬け込むと、肉がやわらかく仕上がるという特徴も。

しいたけ……生のままでも、冷凍すればうま味の濃いだしがとれる

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★冷凍保存のコツ

軸を除いて冷凍用保存袋に入れ、密閉して冷凍する。カサはそのままか切り分け、必要に応じて薄切りに。食感はほとんど変わらず、保存の目安は1カ月。

★栄養の特徴

100gあたり25kcal(生)。しいたけ特有の「エリタデニン」という成分は血中のコレステロール値を下げるといわれ、豊富に含まれる食物繊維もコレステロールの排出を促すなど、相乗的に生活習慣病の予防に役立つ。水溶性食物繊維の一種で、免疫力の活性で注目されている「β-グルカン」も多く含む。

しいたけは日光に当たるとビタミンDに変化する「エルゴステロール」という成分がきのこのなかでも多く、生では少ないビタミンDが、天日干しの乾しいたけでは5倍以上に増える。うま味成分のグルタミン酸もしいたけに多く、グアニル酸も含まれるため、生でも冷凍して加熱するとおいしいだしがとれる。

エリンギ……メニューによって、生と冷凍を使い分けて

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★冷凍保存のコツ

そのままか必要に応じて切り分け、冷凍用保存袋に入れて密閉して冷凍する。ただし、茎の弾力やシコシコとした歯ごたえはなくなりやすいため、食感を楽しみたい焼きもの、炒めものなどの分は、生で取りおきを。保存の目安は1カ月。

★栄養の特徴

100gあたり31kcal(生)。ほかのきのこと同様、植物性たんぱく質が含まれ、食物繊維が豊富。腸内環境を整え、水溶性食物繊維の一種で免疫力を活性するといわれる「β-グルカン」も含まれる。ほか、ビタミンB群・D、カリウムなども多い。軸をカットする際、繊維の向きに沿って縦に手で裂くと味がしみやすい。

えのきだけ……冷凍すると火の通りが早くなり、食べやすいという声も

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★冷凍保存のコツ

石突きを除いて食べやすい長さに切り、根元のほうはほぐして冷凍用保存袋に入れ、密閉して冷凍する。冷凍すると、サッと火を通すだけで軸がやわらかくなるため、加熱しすぎないように注意を。保存の目安は1カ月。

★栄養の特徴

100gあたり34kcal(生)。リラックスに効果的といわれる「ギャバ」が豊富に含まれ、血圧を下げる働きが報告されている。脂肪の吸収を抑えると注目されている食物繊維の一種「キノコキトサン」も含まれ、肥満など生活習慣病の予防効果が期待されている。

ほか、エネルギー代謝を助けるビタミンB群が豊富。美肌に役立つナイアシンやビオチンも多い。カットする際、根元は輪切りなどにすると帆立の貝柱のような食感が楽しめる。

上手に保存&調理してさらに、きのこのおいしさを引き出そう

きのこのうま味成分を生成する酵素は、70℃前後で最もよく働くといわれます。この温度帯をキープできるほど、きのこのうま味が際立つと考えられ、凍ったきのこを煮たりゆでるときは、冷めた煮汁や水から加熱するほうがいいでしょう。

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また、異なるうま味成分を合わせると、相乗効果でうま味は倍増します。種類の違うきのこを買ったり、少しずつ使い残したときは**「ミックスきのこ」**にして冷凍保存するのがおすすめ。いっそううま味が濃くなり、炒めものや炊き込みご飯、汁ものや鍋の具材など、幅広い料理に使えます。

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低カロリーで料理のかさが増し、栄養も豊富なきのこ。たくさん買って冷凍保存しながら常食すれば、健康や美容に役立つうえに、食費の節約にも効果てきめんでしょう!

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