【春の野菜】たけのこの栄養成分や選び方、下処理の方法を紹介!
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春を迎えるとスーパーで見かけ始めるたけのこ。ご飯と一緒に炊いたり炒めたりとさまざまな調理方法がありますよね。
本記事では、たけのこの栄養素や種類について紹介します。
選び方や下処理の方法も合わせて紹介するのでぜひ参考にしてくださいね。
たけのこの歴史
たけのこは日本で食用とされていたのはかなり昔で、日本最古の「古事記」の中にもたけのこは登場します。当時は醤油がまだ一般的に流通されていなかったので、煮物としての調理法はなく刺身や酢の物、漬物や蒸し物といった個性豊かな調理法が用いられていました。
たけのこの種類
4月、5月が旬のたけのこは国内では約600種類、世界では1200種類もあるといわれています。よく聞くたけのこは以下の3つです。
- 孟宗竹(もうそうちく)
- 淡竹(はちく)
- 真竹(まだけ)
では、順番に解説します。
孟宗竹(もうそうちく)
孟宗竹は、直径18cm、高さが22mもある大型のたけのこです。1日に1m以上成長することもあります。日本で生まれたわけではなく、江戸時代に中国から導入されたとされています。
長い産毛が特徴で、肉厚でやわらかくえぐみも少ないです。香りもよく、ほのかな甘味を感じられるでしょう。煮物や炊き込みによく使用され、「春の味覚の王者」ともいわれるほど立派なたけのこです。
淡竹(はちく)
直径が3〜10cm、高さが20mの皮の色が赤紫で先端は緑色とうつくしい見た目をしています。成長後は灰色へと変色し、全体的に細いのが特徴です。産毛がなく、淡白でえぐみのない味わいです。
孟宗竹の後に出荷されますが、市場ではあまり見かけない品種となっています。
真竹(まだけ)
真竹は直径15cm、高さ20mの古くから日本にあるたけのこです。関西、とくに京都で多く見られるでしょう。硬い肉質でアクが強くやや苦味を感じます。孟宗竹と似たような見た目をしていますが、産毛はなく表面には黒い斑点が見られます。
皮が薄く通気性や抗菌性に優れているため、ちまきやおにぎりを包む際のつつみとしても利用されることが多いです。
たけのこの選び方
春先になると、スーパーでは大量のたけのこが見られますよね。しかし個体によって見た目や重みがさまざまなのでどれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。ここでは、たけのこを選ぶ際のポイントを紹介していきます。
おいしい鮮度のいいたけのこの見分け方は以下の3点です。
- 重さ
- 切り口の状態
- 根のぶつぶつの白さ
では、順番に解説します。
たけのこの主な栄養素
春の食材のたけのこは味だけでなく、さまざまな栄養素を豊富に含んでいます。生と水煮100gあたりに含まれる栄養素は以下の表です。
栄養成分 | 生たけのこ | 水煮たけのこ |
---|---|---|
エネルギー | 27 kcal | 22 kcal |
炭水化物 | 4.3g | |
タンパク質 | 3.6g | 2.7g |
脂質 | 0.2g | 0.2g |
カリウム | 520mg | 77g |
マグネシウム | 13mg | 4mg |
葉酸 | 63μg | 36μg |
食物繊維 | 2.8g | 2.3 |
生も水煮も糖質がほとんど含まれていないので、ダイエットに効果的な食品といえるでしょう。生のたけのこに含まれるカリウムの量は野菜の中でも群を抜いて高く、大根の2倍ものカリウムを含んでいます。
一方で水煮にカリウムが含まれていない理由は、カリウムは水に溶けやすいという性質を持っているため、煮汁に流れ出てしまい含有量は少なくなっているからです。
また、これ以外にも注目すべき栄養素は以下の4つです。
- ポリフェノール
- 食物繊維
- オリゴ糖
- カリウム
- チロシン
では、順番に解説します。
ポリフェノール
ポリフェノールは抗酸化作用があり、美容や健康に悪影響を及ぼす活性酸素の除去をする働きがあります。
活性酸素が体内で過剰に発生してしまうと細胞が傷つけられてしまい、免疫力の低下や動脈硬化、がん細胞の増殖や肌の老化の原因にもなってしまうので積極的に摂取していきたい成分の1つです。
食物繊維
食物繊維は腸内環境を改善してくれます。たけのこはとくに不溶性食物繊維を多く含んでいるため、便のかさを増やし腸に刺激を与えるので排便をスムーズにしてくれるでしょう。
オリゴ糖
たけのこにはきしろオリゴ糖という種類のオリゴ糖が含まれています。朝の中で善玉菌の餌となってくれるので、善玉菌の増殖を促して食物繊維と一緒に朝の改善に働きかけてくれます。
カリウム
カリウムは高血圧やむくみの改善に効果的です。ナトリウムと共に体内で細胞の浸透圧を維持し神経刺激の伝達や心臓機能や筋肉機能の調節などを行います。また腎臓のナトリウムを再吸収し尿中への排出を促すため血圧の高い方に効果が期待できるでしょう。
チロシン
チロシンとは、たけのこの切り口についている白い粉のことです。アミノ酸が結晶化したタンパク質なので食べても害はありません。新鮮なものであれば旨みを感じられますが、時間がたったものの場合は口当たりが悪くえぐみを感じやすいでしょう。
気になる方は無理に食べず、取り除くようにしましょう。
たけのこの効果
たけのこには健康にいいさまざまな栄養成分を含んでいます。ここからはたけのこを摂取して期待できる効果について紹介します。
たけのこを摂取することで得られる効果は以下の4点です。
- 疲労回復
- 便秘解消
- ダイエット効果
- 美肌効果
では、順番に解説します。
疲労回復
たけのこに含まれるアスパラギン酸には、疲労物質の乳酸を燃焼させる効果があります。グルタミン酸やチロシンはドーパミンなど神経伝達物質の原料となり、脳の活性化や認知症予防にも期待できます。
便秘解消
茹でたたけのこは食物繊維が豊富で腸内環境を整えられるので、糖質制限中の方や便秘に悩んでいる方にもおすすめです。
たけのこに含まれるほとんどの食物繊維は不溶性のセルロースで構成されているので、体内でほとんど吸収されずに直接腸まで働きかけてくれます。運ばれた不溶性食物繊維は、腸内の水分を吸収して膨らみ便の量を増やしてくれます。
刺激生発がん性物質といった有害なものと一緒に排出してくれるので健康的に便通が改善されるでしょう。
ダイエット効果
ダイエット中の方にもたけのこはおすすめです。たけのこに含まれるアスパラギン酸は、ビタミンやミネラルを円滑に運んでくれるのでエネルギー代謝を促進します。ほかの食品に比べ低カロリーで低糖質なので糖質制限をしているという方にもおすすめです。
美肌効果
疲労回復や整腸作用など、デットクス効果の高いので美肌効果も期待ができますよ。腸内環境が改善されることによって栄養の吸収バランスも整ううえ、ポリフェノールに含まれる抗酸化作用で肌のターンオーバー促進やアンチエイジング効果にも役立つでしょう。
食べすぎるとどうなる?
たけのこは1日の摂取量を150〜300gまでにしておきましょう。穂先の部分であれば1/3、根本の部分であれば3cmを目安にするといいですよ。たけのこには整腸作用があるので、基準以上の摂取をしてしまうと腸が過剰に働いてしまい、下痢を引き起こす可能性があります。
さらに食物繊維を構成するセルロースには水分を吸収し傍聴する作用があるので、かえって固くなる便秘を引き起こしたり、食物繊維過剰摂取による吐き気や腹痛を起こしたりとさまざまなリスクがあります。
ほかにもチロシンの過剰摂取によってシミやそばかすが増えてしまったり、ヒスタミンなどの化学物質によるアレルギー反応が起こったりする可能性もあるため、食べ過ぎには注意しましょう。
たけのこの下処理方法
たけのこは竹の若い芽のことで一般的に食用とされる芽のことを「筍」といいます。何層にもなる表皮を取り除いた後の中心部が食用になるため下処理が必要です。ここでは、たけのこの基本的なアク取り方法について紹介します。
米ぬかと唐辛子、たけのこが入る深い鍋を用意します。まずたけのこの先端を斜めに1/5程度落としましょう。切り落とした箇所に垂直に切り込みを入れます。その後深鍋にたっぷりのお湯と米ぬか、唐辛子を加えて沸騰させます。
沸いたら落とし蓋をして吹きこぼれないぐらいの火加減で煮ていきましょう。たけのこの一番太い部分に竹串を指してすっと通れば火が通った証拠です。サイズや個数にもよりますが、およそ1、2時間ほどで茹で上がります。
たけのこを取り出して粗熱が取れたら流水で米ぬかを落としていきます。そして切れ目から表皮を剥いていけば下処理は完了です。
下処理のポイント
たけのこのアクにはポリフェノールが含まれています。それと同時にシュウ酸という成分を含んでおり、シュウ酸は摂りすぎると尿結石の原因にもなるので必ずアク抜きは行いましょう。
また新鮮なたけのこを購入してから時間が経過してしまうとシュウ酸の成分がさらに増えてしまうので、購入後放置せずすぐに下処理を行うのがおすすめです。
たけのこの保存方法
たけのこは冷蔵保存と冷凍保存が可能です。正しい保存方法を行えばたけのこのおいしさをキープしながら保存ができますよ。では、順番に解説していきます。
冷蔵保存
たけのこは陽気に水を浸しその中に入れて冷蔵庫で保存するようにしましょう。表面が乾燥してしまうと風味も落ちやすく、おいしさが損なわれやすいです。
たけのこがしっかりとかぶるくらいの水を入れた密閉容器に入れて保存し、1、2日おきに水を取り替えるようにしてくださいね。冷蔵保存の場合は、1週間ほど保存が可能です。
冷凍保存
冷凍保存の場合は、だし汁や砂糖を塗すのがおすすめです。解凍したときにパサつきにくくなりますよ。薄切りにしたたけのこを密閉袋に入れ、だし汁や砂糖と一緒に平たくして冷凍します。
冷凍の場合は約1ヶ月ほど保存ができます。解凍時には加熱調理を行ったり、なるべく早く食べ切るようにしましょう。
たけのこを食べて春の訪れを感じよう!
たけのこは4月、5月に旬を迎える春の食材です。アレンジがしやすく炊き込みご飯や煮物などさまざまな食材とも合わせやすいです。体に嬉しい効果も豊富に含まれているので積極的に摂取して健康的な春を迎えましょう。