ゼラチンの特徴とは?使い方から代用できるものまで紹介!
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料理やお菓子作りに欠かせない「ゼラチン」。さまざまな場所で見かけるゼラチンですが、カロリーや栄養成分がどのくらい入っているか気になる方も多いでしょう。
また、似たような食材で寒天やアガーとの違いはどのようなものでしょうか。
本記事では、ゼラチンの栄養成分から使い方まで幅広く紹介します。
ゼラチンを使ったおすすめメニューまで紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
ゼラチンとは?
ゼラチンはタンパク質の一種である「コラーゲン」からできたものです。
コラーゲンは細長い線のような分子がらせん状に3本連なった状態となっています。熱を加えると、らせん状の分子がバラバラの状態になりゼラチンとなります。
ゼラチンは熱すると液体になり、冷やすと固まる性質が特徴です。溶けた状態を「ゾル化」と呼び、冷やして固まった状態を「ゲル化」と呼びます。
この性質を活かしてゼラチンは料理だけでなく、医療分野や工業分野などで幅広く利用されているのです。
ゼラチンの栄養素
ゼラチンに含まれる主な栄養成分は以下の通りです。
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 347kcal |
タンパク質(コラーゲン) | 87.6g |
炭水化物 | 0g |
脂質 | 0.3g |
ナトリウム | 260mg |
ゼラチンにはタンパク質であるコラーゲンが豊富に含まれています。コラーゲンは生体内に多く含まれるタンパク質で、細胞と細胞をつなぎ体を作る大切な栄養です。血管や内臓にもあり、高血圧や骨粗鬆症の予防や改善も期待できるでしょう。
しかしゼラチンのみでタンパク質を取るとほかの栄養バランスが崩れてしまうため、肉や魚なども合わせて摂取するようにしましょう。
食べすぎるとどうなる?
ゼラチンに摂取量の目安はありませんが、とりすぎには注意しましょう。ゼラチンにはタンパク質が豊富に含まれていますが、接種しすぎてしまうと、体内でタンパク質を処理しようと肝臓や腎臓の動きが活発になります。その結果、肝臓や腎臓への負担が大きくなり、倦怠感や疲労感が蓄積されるでしょう。
ほかにも、体内に食物繊維が不足してしまっている状態でタンパク質を過剰に摂取してしまうと、うまく消化されずお腹が張って腹痛を起こしたり、腸の不快感を感じたりします。
日々の食生活の中で摂取しすぎることはあまりないゼラチンですが、必要以上のゼラチンを摂取しないように心がけましょう。
ゼラチンの種類
ゼラチンには「板ゼラチン」と「粉ゼラチン」の2種類があります。作るお菓子や料理によって分けて使用すると、おいしく作れるでしょう。ここでは、それぞれのゼラチンの特徴について紹介します。
板ゼラチン
板ゼラチンは、ゼラチンを板状に固めたものです。粉のゼラチンと比べて風味にクセがなく、料理に使っても風味の邪魔になりにくいのが魅力。一枚当たりの重量が決められているため重量を測る必要がなく、大量に使用する際でも正確な量を測れて便利ですね。
にごりのない透明な見た目と食感はなめらかな食感があり、ゼリーやムースを作る際に使われることが多いです。
氷水で一枚ずつふやかした後、水気を取ってから温かい材料と混ぜ合わせて使います。
粉ゼラチン
粉ゼラチンは、ゼラチンを粉状に加工したものです。ごく少量から使えるため、家庭でのお菓子作りにおすすめです。
板ゼラチンに比べやや風味のクセがあるものの、水と混ぜてふやかした後に温めた液体と混ぜ合わせるだけなので簡単に調理できますよ。料理に不慣れな方におすすめです。
食感が弾力のあるプルプルした質感になるので、プリンやグミを作る際によく使われます。
寒天との違いは?
ゼラチンは動物性のタンパク質であるコラーゲンから作られているのに対して、寒天は天草などの海藻から作られています。
そのため含まれている成分も大きく違い、ゼラチンはタンパク質が主成分なのに対して、寒天は炭水化物が主成分です。
性質には大きな違いがあり、ゼラチンは固まった後に再び溶かせますが、寒天は一度固まると溶けにくいという性質があります。 ゼラチンと寒天は似ているとイメージする方が多いと思いますが、実はこの点において決定的な違いがあるのです。
またゼラチンが弾力感のある質感なのに対し、寒天は弾力感がなく、固く固まります。 そのためなめらかな食感でありながら歯切れのいい、ゼリーやようかんなどに使われます。
アガーとの違いは?
アガーは高い透明感を出し、一度固まると溶けにくいのが特徴です。光沢感があり、水ゼリーに代表されるような美しい透明感のあるお菓子に多く使われます。
海藻やマメ科の種子が原料となっており、寒天同様炭水化物を多く含みます。
ゼラチンよりも固く、寒天よりもなめらかな食感が特徴です。透明感を出したい料理やお菓子に幅広く使用されます。
ゼラチンが固まらない原因
調理している中で、ゼラチンがうまく固まらず失敗してしまったという方も多いでしょう。ここでは、ゼラチンが固まらない理由についてご紹介します。
ゼラチンが固まらない理由は以下の2点です。
- 溶かす時の温度が高すぎる
- 特定のフルーツを使用している
では、順番に解説していきます。
溶かす時の温度が高すぎる
ゼラチンを溶かす時は沸騰したお湯を使うのではなく、50℃前後のお湯で溶かすのがおすすめです。
ゼラチンはタンパク質でできているので溶かす際の温度が高すぎると、タンパク質が変性し冷やしても固まりづらくなってしまいます。
そのため、ゼラチンをふやかす際には、50℃前後のお湯を使うようにしましょう。
特定のフルーツを使用している
ゼラチンはその性質から、ゼリーなどの洋菓子を作る際にフルーツと一緒に用いられることが多いです。 しかしタンパク質分解酵素が含まれているフルーツを使用する場合は、冷やしても固まりづらくなる場合があります。
主にイチジクやパパイヤ、キウイフルーツ、パイナップルが代表的です。これらのフルーツとゼラチンを一緒に使うと、フルーツの持つタンパク質分解酵素がゼラチンのタンパク質を分解してしまいます。
そうなると冷やした時になかなか固まらない可能性があるため注意しましょう。
上記のフルーツと一緒にゼラチンを使いたい場合は、加熱処理されている缶詰を使用するとよいでしょう。缶詰のフルーツは加熱処理を行う際にタンパク質分解酵素が活性を失い、一緒に使ってもうまく固まってくれます。
ほかにもアガーで代用するという方法もありますが、その場合は見た目や食感が変わってしまいますので注意しましょう。
ゼラチンは寒天やアガーで代用ができる
ゼラチンは寒天やアガーで代用もできますが、見た目や食感に違いが出てしまうため注意しましょう。代用時の使い方も違うので、事前に調べておくとよいですよ。
ここでは、ゼラチンを寒天やアガーで代用する際の注意点を解説します。
寒天で代用する時の注意点
寒天はゼラチンと比べて溶かす温度、固まる温度が異なります。
寒天は90℃以上の熱湯で溶かす必要があり、40℃〜50℃で固まり始めます。そのため、溶かすお湯の温度や混ぜる具材や液体の温度によっては想定よりも早く固まり始める可能性もあるので注意しましょう。
さらに、ゼラチンがなめらかな食感なのに対して寒天はゼラチンよりも硬く固まります。
また寒天は固まった時に白く濁るのが特徴の一つです。
仕上がりの食感や見た目に違いが生じるので、注意が必要になります。
アガーで代用する時の注意点
ゼラチンの代わりにアガーを使用するのもおすすめです。アガーはゼラチンとよく似た見た目と食感をしている上、固めにくいタンパク質分解酵素を持つフルーツも固められるのが特徴です。
またアガーは無味無臭なうえに無色透明なので、味も見た目もすっきりとします。
使う際には、他の調味料と混ぜておくとよいでしょう。アガーは単体で使うとダマになりやすいので注意しましょう。水に入れて90℃くらいになると溶けていくため、そのまま1分間ほど煮ながら溶かしましょう。
溶かしきったら火を止め、他のジュースや果汁などの材料と混ぜ合わせます。アガーは90℃以上で溶け、30〜40℃で固まります。 寒天同様に溶ける温度や固まる温度もゼラチンと比べて高いので、使用する前にあらかじめ確認しておきましょう。家にゼラチンがない時は、アガーで代用するとよいですよ。
ゼラチンを使ったおすすめレシピ3選
1.プリン
オーブンや蒸し器を使わずに家庭にある道具で簡単にプリンが作れます。ゼラチンを使用しているため、なめらかな仕上がりになりますよ。
またトッピングに生クリームやフルーツを乗せれば、パフェのような楽しみ方もできます。子供と一緒に楽しく料理できるのもうれしいポイントですね。
2.コーヒーゼリー
ゼラチンさえあれば、コーヒーの風味を生かしたコーヒーゼリーも作れます。ゼラチンの弾力感のある食感がおいしい一品でおやつにもぴったりです。しっかりと固めたものをクラッシュして生クリームとあえたり、ミントを添えて爽やかにしたりするのもおすすめですよ。
3.チョコムース
ゼラチンを作るレシピの中にはゼリーだけでなく、ムースもあります。チョコレート、牛乳、ゼラチンだけでなめらかなチョコムースを簡単に作れます。トッピングにブルーベリーやラズベリーを乗せると、サッパリとした味わいを楽しめるでしょう。
最後にココアパウダーを振りかければ高級感のある見栄えにもなり、SNS映えやおしゃれなホームパーティーにもぴったりですね。
ゼラチンを使って料理の幅を広げよう!
ゼラチンは手軽になめらかさや弾力感を出せる便利な食材です。
プリンやムースは作るのが難しいイメージを持つかもしれませんが、ゼラチンを使えば簡単に作れますよ。また、食感は異なりますが寒天やアガーでも代用できるため、調理の応用もしやすいでしょう。
ゼラチンの性質をよく理解して、料理に活用しましょう。