紅茶の種類ってどのくらい?代表的な紅茶の特徴を紹介!
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紅茶は種類が多くさまざまな特徴もあるため、どれを選べばよいのかわからない方も多いでしょう。
本記事では、代表的な紅茶の種類や特徴を解説します。
紅茶の種類だけでなく、グレードの種類なども合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
紅茶の主な産地
紅茶は20カ国以上で生産されており、紅茶の銘柄は産地に由来しています。もともとは中国で生まれたお茶文化ですが、紅茶がイギリスに渡ってからは、ヨーロッパを中心に世界中で愛されるようになりました。
紅茶の主な産地5選は以下の通りです。
- インド
- スリランカ
- ケニア
- インドネシア
- 中国
では、順番に解説します。
インド
インドは世界最大の茶葉産出国で、世界三大紅茶の一つ「ダージリン」の産地です。茶葉の種類も豊富で北東部ではアッサムとダージリン、南部ではニルギリなど、銘柄の異なる個性的な味わいが揃っています。
インドの紅茶の栽培は、イギリスの植民地であったことからはじまりました。当初はインドの気候や土地に合わず失敗を繰り返していましたが、北東部のアッサム州で自生種が発見され、「アッサム種」として品質改良が行われました。
イギリス国内でも高い評価を受けたアッサム種は、インド国内で栽培が拡大し、ダージリン地方でも中国種を栽培するなど各地に広がっていったのです。
スリランカ
スリランカは茶葉輸出量が世界一で、世界三大紅茶の一つ「ウバ」の産地です。スリランカで生産される紅茶は、時期によって2種類に別れます。
ベスト・シーズン
- 1年間で最も多くの茶葉が収穫されるシーズン
- スリランカ紅茶における「ベスト」は品質ではなく収穫量の多さを表す
クオリティ・シーズン
- このシーズンに収穫された茶葉が、スリランカ紅茶で最もおいしいとされる
- 味や香りが強くなる
スリランカ紅茶の歴史は約150年前に遡ります。イギリスの植民地であったインドで紅茶の生産が成功をおさめ、生産量を増やすために同じくイギリスの植民地であったスリランカが新たな生産地として選ばれました。
色、香り、味のバランスがよく、インド紅茶に比べるとマイルドな風味が特徴です。
ケニア
ケニアは新興の茶葉産出国です。お茶の栽培に適した自然環境と豊富な労働力、さらに新興国のため近代的な設備と技術が揃えられ、ケニアの紅茶生産量の伸びは他国を圧倒しています。
インド、セイロンで茶葉に従事してきたイギリス人技術者が1920年代に茶栽培の新天地として東アフリカに着目し、ケニアでの生産がはじまりました。多彩な作り方はせず、機械で作業効率を向上させた安定した品質が特徴です。
インドネシア
インドネシアは年間を通してジャワ、スマトラなどでよい茶葉を産出しています。1960年の植民地時代にオランダ人の手によって茶葉の栽培がはじまりました。
1870年代にはアッサム種をスリランカから持ち込み、本格的なプランテーションが開始されました。味や香りともに軽めで、食事ともよく合い、水代わりにゴクゴクと楽しめるものも多いのが特徴です。
中国
中国は茶木の原産国です。実は紅茶の発祥の地は、烏龍茶の製造が現在も盛んに行われている中国の福建省となっています。17世紀前半に中国からヨーロッパに紹介されたお茶は、当初は緑茶でした。
中国茶は1610年ごろ、はじめてヨーロッパに向けて輸出されているのですが、夏の暑い時期に赤道を4回も通過して4ヶ月以上かかる船旅で、緑茶は必ず劣化します。
それを防ぐために発酵茶が輸出に適したお茶と認められ、それをきっかけに発酵茶が大量に生産されるようになったといわれています。キーモンや雲南、ラプサンスーチョンなど特有の芳香があり、ストレートで楽しみたい紅茶が多いのも特徴です。
日本でも紅茶の茶葉は栽培されている
日本でも紅茶の茶葉は栽培されており、緑茶生産1位の静岡県や2位の鹿児島県など、有名な茶産地で紅茶も作られています。
日本生まれの紅茶専用品種の代表格としては「べにふうき」、「べにひかり、」「べにほまれ」があります。それぞれの特徴は以下の表の通りです。
べにふうき
- アッサムの特徴である濃厚なコクと甘み
- ダージリンの香り高さを合わせもつ
べにひかり
- 高い品質を誇る品種だが、全国的に栽培面積はごくわずか
- 鮮やかな紅色のお茶の色と、鼻に抜ける清々しい香りが特徴
べにほまれ
- 日本のお茶の品種としてはじめて誕生した
- 渋みやわらかくバランスのよい味わい
代表的な紅茶5選
ここでは、代表的な紅茶5選をご紹介します。有名な紅茶は以下の通りです。
- ダージリン
- ウバ
- キーマン
- アッサム
- ケニア
では、順番に解説します。
ダージリン
「紅茶のシャンパン」とも称されるダージリンは世界三大紅茶の一つで、甘く爽やかな香りと上品な渋みが特徴です。インドのダージリン地方で生産される紅茶の総称で、標高の高い場所で栽培されることにより、独特の味と香りを作りだしています。
ダージリン紅茶に使われる茶葉は年間4回収穫され、そのシーズンによって味も香りも大きく異なります。紅茶の特徴が最も出る時期のことを「クオリティーシーズン」と呼び、これが紅茶の旬です。
ファーストフラッシュ(一番詰み)
<収穫時期>
- 3〜4月
<特徴>
- 軽い雨季が訪れると茶葉が一斉にやわらかい新芽で覆われ、この新芽が使われる
- 色は淡く味もマイルド
- 香りは爽やかな風味
- 収穫量が少なく高値で取引される
- ストレートティーで味わうことが多い
セカンドフラッシュ(二番摘み)
<収穫時期>
- 5〜6月
<特徴>
- 葉が少し成熟してきたことから、爽やかさが落ちる反面、コクが生まれる
- 味、コク、香りともに1年中で最も充実しており、最高級品となる
- マスカット・フレーバー(マスカットを口に含んだような香り)と呼ばれる爽やかな香り
- ストレートティーでダージリン特有の香りを味わうのがおすすめ
モンスーンフラッシュ
<収穫時期>
- 8〜9月
<特徴>
- 他の時期よりダージリンの個性が弱く質も劣る
- ブレンド用の茶葉とされることが多い
オータムナル(秋摘み)
<収穫時期>
- 10〜11月
<特徴>
- 雨期後の乾燥期には茶葉も厚くしっかりするため、味には渋みが加わる
- 紅茶らしい風味が強い
- ミルクティーに合う
ウバ
ウバは世界三大紅茶の一つで、スリランカが産地です。スリランカ南東部にあるウバの高地は、日中の高温と夜間の冷気のために霧が発生しやすい土地です。これによりバラやスズランの甘い刺激的な「ウバフレーバー」が作りだされます。
ウバフレーバーは珍しいものとして高値で取引されています。ストレートで独特の香りが味わえ、ミルクを入れると爽やかなミルクティーを楽しめるのが魅力。
キーマン
キーマンは中国南東部の安徽省産で、世界三大紅茶の一つです。独特の燻製香が特徴で、渋みは弱いものの甘みがあるのでミルクティーにすると独特の風味を楽しめます。キーマンは10以上の品質ランクによって出荷され、特級茶は蘭のような香りがするともいわれています。
優しい蜜のような甘みを感じられ、とても上品な味わいです。一方で偽物も多く、本物に出会うのは珍しいとされ、エリザベス女王も愛したとされる格式の高い紅茶です。
生産時期が6〜9月と短く、ごく少量しか採集されません。とくに8月に摘まれるものが最高級品と高値がつく場合もあります。
アッサム
アッサムは、インド紅茶として代表的な紅茶です。インドで日常的に飲まれているスパイスミルクティー「チャイ」に使われることもあります。アッサムにもダージリンと同じようにクオリティーシーズンがあります。
ファーストフラッシュ
<収穫時期>
- 3〜4月
<特徴>
- 濃厚で爽やかな風味
- 甘い香り
- ストレートで楽しむ
セカンドフラッシュ
<収穫時期>
- 4〜6月
<特徴>
- 一番収穫量が多い
- アッサムの中でも最良品の時期
- 芳醇な甘みと力強い味、クリームのような風味が特徴
- 味わいが濃いためミルクティー向き
オータムナル
<収穫時期>
- 9〜11月
<特徴>
- 重くしっかりした渋みが特徴
- 後味はクセがない
- ミルクティーにすると渋味が和らぐ
アッサムはダージリンと比べると、シーズンによる味や香りの変化がなく穏やかといわれています。
ケニア
ケニアのクオリティーシーズンは1月末〜2月と、7月〜9月の2回ですが、年間を通じて安定した品質のよい製品ができることで評価を得ています。茶園が新しく樹も若いので、マイルドで飲みやすい味とフレッシュな香りが特徴です。
クセがなく、ストレートやミルクティー、レモンティーなどどのような飲み方にも適しています。
ブレンドティーとフレーバーティーの違い
紅茶には「ブレンドティー」と「フレーバーティー」と呼ばれるものもあります。ここでは、それぞれの特徴と代表的なものをご紹介します。
ブレンドティー
ブレンドティーとは異なる種類の茶葉をブレンドして作られたものです。代表的なものは以下の表の通りです。
ロイヤルブレンド
- アッサムとセイロンをブレンド
- しっかりとした味わいだがクセは少ない
イングリッシュブレックファースト
- 英国風朝食に合うようにブレンド
- ミルクティー向け
アフタヌーンティー
- ダージリンとアッサム、またはダージリンとセイロンでブレンド
- 香りがよくストレートでもミルクティーでも楽しめる
同じ茶葉でもブレンドすると、また違った味わいが楽しめるのも紅茶の魅力ですね。
フレーバーティー
フレーバーティーは茶葉にお花やフルーツの皮などで香りが加えられたものです。フレーバーティーは主に以下の表のように分類されます。
系統 | 種類 |
---|---|
フルーツ系 | アップル、いちご、ピーチ、オレンジ |
スイート系 | バニラ、キャラメル、カスタード |
ナッツ系 | アーモンド、ヘーゼルナッツ、マロン |
スパイス系 | ジンジャー、シナモン、カルダモン |
シーズンスペシャル | クリスマス、ハロウィン、ウエディング |
華やかな香りでリラックスしたいときに、ぴったりの紅茶といえるでしょう。
紅茶のグレードの種類
紅茶には茶葉のグレードを表す記号があります。グレードとは茶葉のサイズのことで、品質のよさを表すものではありません。紅茶は1芯2葉で詰んだ茶葉の部位を区別せずに製造工程にかけ、最後にふるいにかけてサイズを区別していきます。
サイズ区分は茶園ごとに5〜6つにわかれています。ここでは、各グレードの内容について解説していくので参考にしてください。
1.OP(オレンジペコー)
細くよじれた長い形状で、7〜11mm程度です。むらし時間を長くして、茶葉のよりをしっかり戻して飲みましょう。香味の強さが特徴です。
2.PEKO(ペコー)
3〜5㎜程度です。BOPだと渋味が強くなりすぎる紅茶もPEKOサイズで香りやコクがバランスよく楽しめるでしょう。
3.BOP(ブロークンオレンジペコー)
2〜3㎜程度で、芯芽を含む上級品が多く市販品はこのタイプがよく使われています。香りやコクをきちんと味わえるサイズです。
4.BOPF(ブロークンオレンジペコーファニングス)
1〜2㎜程度です。ティーバッグや水出しでも濃く出るサイズです。上級品のティーバッグにもよく使われ、風味や色がすぐに出るので忙しい朝にぴったりでしょう。
5.D(ダスト)
最も細かく0.5〜1㎜程度です。浸出が早く、強い香りが楽しめるサイズです。良質のものは高値で取引されます。
6.CTC
CTCとは「CRUSH(つぶす)」「TEA(引き裂く)」「CURL(丸める)」の頭文字をとった製法で仕上げられた茶葉のことをいいます。濃く早く出るため、ティーバッグやミルクティー向きの茶葉はこの製法で仕上げられます。
まとめ
本記事では、代表的な紅茶の種類や特徴を解説しました。一口に紅茶といっても栽培の場所や収穫時期によって、味や香りがまったく違うものになります。種類が多くて悩んでいた紅茶ですが、茶葉の種類を知るといろいろな産地の茶葉を試したくなりますよね。
その日の気分や、お菓子に合わせて今まで選んでこなかった紅茶もぜひ挑戦してみてください。